LOG内のアートの設えを担当いただいた清水善行さんとハタノワタルさんの展覧会を開催します。
開催期間は12/3(土)~18(日)です。「うまれる」をテーマとした作品、空間をお楽しみください。
■清水善行
在廊日 12/3(土)・4(日)・5(月)11:00-17:00
古来から日本やアジアにあった伝統的な焼き物の美しさを現代の暮らしの中で
再認識させてくれる陶芸家。清水さんのつくる焼き物は私たちのDNAを刺激し、
逞しく生きてきた人びとの魂を呼び起こしてくれるため、そのうつわは多くの
料理人や華道家に愛される。
■ハタノワタル
在廊日 12/3(土)11:00-17:00
和紙職人で空間デザイナー。静けさを湛えた空間をつくることを得意とする。
つくりすぎても尚モノを作り続ける現代に、手仕事をもって空間を作っていく姿は、
その行為こそが社会に「立ち止まる」ということを考えさせる。
展覧会の開催にあたり、ハタノワタルさんより、コメントをいただいています。
4年前の12月、広島尾道にLOG が生まれました。LOG とは「Lantern Onomichi Garden」
の頭文字をとった造語です。尾道の山の手から夜はランタンのような柔らかなあかりを灯し、
まちを優しく照らすというコンセプトが込められています。施設の大半をまちに開かれた場
として機能しており、この土地で暮らす人々とまちを散策する人々が交差するオアシスのような
場所として、昭和38年に建てられたアパートメントを改装して生まれました。
設計は世界的に注目されているインドの建築設計事務所スタジオムンバイ。
代表のビジョイ・ジェインさんの描くコンセプトを元に、さまざまな作り手やスタッフが
手仕事を重ね生まれた空間は生き物のように少しずつ変化していき、まちの風景に同化しています。
そんなLOG の中には宿泊できるゲストルームが6部屋あります。ビジョイさんが打ち出した
コンセプトは「繭」。それを体感できるように、壁、天井、床までを和紙で包みました。
繭の中ということで私の選んだ色はトーンの落とした生成り色。小さな灯り、障子越しの光の中で
優しく人を包み込むことを目指しました。
LOG ができていく過程で、様々なものを和紙で包んでいく計画が立ち上がってきました。
カウンター、テーブル、家具、メニュー表、コットンケースまで。そこには目に飛び込むむもの
すべてに優しさをというコンセプトがあったからだと思います。
そして最終段階になり、私はLOG 内のアートの設えを任されました。施工を通じてビジョイさんや
LOG のスタッフたちが目指すものを共有できていたので、ここに訪れる方々が、普段の暮らしを忘れ、
自分と向き合い、尾道の光や心地よい風を感じながら自らの中から何かがうまれるアートが適切だと思い、
花を生けない花器、どこかで見たことのある形、形を描かない絵画を設えました。それぞれ作り手は
花器を清水善行、形を渡辺遼、そして絵画を私が担当しました。今回、4年前にアートを制作した3人の
中から清水善行とハタノワタルの展覧会を開催します。展覧会は当初のまま何かが「うまれる」をテーマとし、
作品、空間をつくりあげていきます。
また彗星菓子手製所さんが会場でインスタレーションと茶菓の会を開催してくれます。
ぜひこの機会に尾道へお越しいただき、私たちの作品とLOG の空間をお楽しみください。